議員をリコールするにはどうしたらいいの?
リコール請求とは
リコール請求とは、地方自治体の選挙で選ばれた公職者(例えば地方議会議員や知事、市町村長など)を住民の意思によって罷免することを求める手続きです。リコール請求は、住民の意思を反映して公職者の職務を監視し、適切でないと判断された場合には解職を促すための重要な制度です。以下にリコール請求の基本的な手続きを説明します。
リコールの手順
地方公共団体の議会議員や知事、自治体の市町村長などの解職請求、いわゆるリコールを行うためには、以下の手順が必要です。
- 署名集め
- 選挙権を有する者の総数の3分の1以上の署名が必要です。この署名は、選挙人名簿に登録されている有権者から集めます。
- 署名は、リコールの代表者から選挙管理委員会に提出されます。
- 署名の精査
- 提出された署名は選挙管理委員会によって精査されます。
- 解職の賛否投票
- 地方自治法施行令の規定に基づき、署名が有効と判断された場合、60日以内に解職の賛否投票が行われます。
- 投票結果
- 賛否投票の結果、過半数が賛成すれば、その職を失うことになります(地方自治法第83条)。
また、以下の点にも注意が必要です
- 解職請求は、その職に就任してから1年間は行うことができません。また、解職の投票の日から1年間も請求できません。
- 請求があった場合、選挙管理委員会は直ちに請求の要旨を公表し、該当する選挙区で投票が行われます。
- 有権者総数が一定数を超える場合、必要な署名数が緩和されることがあります。
このプロセスを通じて、地方自治体の代表者の解職を求めることが可能です。
直接請求権とリコールの違い
直接請求権とリコールは、住民が地方自治体に対して行使できる重要な権利ですが、目的と手続きに違いがあります。直接請求権は、住民が地方自治体の条例の制定や改廃、監査請求、議会の解散などを求めることができる権利です。住民は一定数の署名を集めて首長や監査委員、選挙管理委員会に請求し、その結果に基づいて議会で審議されたり、監査が行われたり、住民投票が実施されたりします。
一方、リコールは地方自治体の公職者(例えば議員や市長、知事など)の解職を求める権利です。住民は有権者の3分の1以上の署名を集め、選挙管理委員会に提出します。署名の有効性が確認されると、解職の賛否を問う住民投票が行われ、過半数の賛成があれば公職者は解職されます。ただし、就任後1年間および前回のリコール投票後1年間はリコール請求ができません。
直接請求権は行政や条例に対する住民の意見を反映させるものであり、リコールは公職者の不適切な行動や住民の信頼を失った場合に解職を求めるためのものです。両者は住民の意思を地方自治体に反映させるための重要な手段ですが、目的と手続きが異なります。
リコールの事例
神奈川県真鶴町の松本一彦町長のリコール
選挙人名簿を不正利用したとして、2023年09月24日にリコールの賛否を問う住民投票が行われ、リコールが成立し失職。
リコールまとめQ&A
国会議員に対するリコールに該当する制度はありません。