犬を飼ったら役所に登録をしないといけないの?犬の登録(畜犬登録)しないとどうなる?

飼い犬を登録する目的は、犬の所有者を明確にすることです。これにより、どこで犬が飼育されているかを把握でき、狂犬病が発生した場合に迅速かつ的確に対応できます。
生後91日以上でまだ登録手続きが済んでいない犬の飼い主は、お住まいの市区町村窓口に問い合わせ、登録手続きを行う必要があります。登録は基本的に1頭の犬につき生涯1回ですが、引っ越しをした場合には移転先の市区町村窓口に届出が必要です。
犬を飼い始めて30日以内(生後90日以内の場合は、90日経過から30日以内)に登録が必要です。犬鑑札は必ず犬の首輪などに装着してください。
犬の登録をしないとどうなるの?
生後91日以上の犬を飼い始めた場合、30日以内に犬の所在地の自治体へ登録を申請する必要があります。これは、狂犬病予防法第27条により定められており、犬の登録申請を怠ると20万円以下の罰金が科せられることがあります。
さらに、犬が死亡した際には死亡届を提出する義務があり、また、マイクロチップ情報の登録も必要ですので、これらの手続きについても注意してください。
犬の登録、してないとバレる?知っておくべきリスクとデメリット
「犬の登録って、しなくてもバレないんじゃない?」そう考える方もいらっしゃるかもしれません。結論から言うと、登録していないからといって「必ずしもすぐにバレるわけではありません」。しかし、だからといって登録しなくて良いということには全くならず、むしろ登録しないことによるデメリットとリスクは非常に大きいと言えます。
法律上の義務と罰則
まず大前提として、生後91日以上の犬を飼い始めたら、30日以内に市区町村に登録すること、そして年に1回の狂犬病予防注射を受けさせることは、狂犬病予防法によって飼い主に義務付けられています。これは法律で定められた責任であり、単なる推奨ではありません。
もし未登録や狂犬病予防注射の未接種が発覚した場合、20万円以下の罰金が科される可能性があります。実際に、狂犬病ワクチン未接種で検挙されるケースは年間160件近く報告されており、決して他人事ではないのです。
未登録が「バレる」可能性のある場面
では、どのような場合に未登録が発覚する可能性があるのでしょうか?
- 動物病院での受診時: 診察や、特にマイクロチップの読み取りなどが行われた際に、登録状況について確認されることがあります。未登録の場合、獣医師から指導を受けたり、場合によっては行政に通報されたりする可能性もゼロではありません。
- 愛犬が迷子になった時: 万が一、愛犬が迷子になり保護された場合、鑑札やマイクロチップ情報がなければ、飼い主を特定することは非常に困難になります。登録されていれば、これらの情報から速やかに飼い主へ連絡がいき、無事に再会できる可能性が格段に高まります。登録は愛犬の命綱とも言えるのです。
- 他人への危害やトラブル発生時: 残念ながら、愛犬が他人を噛んでしまったり、物を壊してしまったりする事故が起こる可能性はあります。そのような場合、警察や保健所への届け出が必要になることがあり、その際に犬の登録状況は必ず確認されます。未登録であれば、飼い主としての管理責任を問われ、問題がより大きくなる可能性があります。
- 狂犬病予防注射関連: 狂犬病予防注射の集合注射の案内などは、基本的に登録情報に基づいて送付されます。登録していなければ、こうした重要な情報が届きません。また、何らかの形で注射済票の確認が行われた際に、未登録であることが判明する可能性も考えられます。
登録しないことのデメリット
犬の登録をしないことには、主に以下のようなデメリットがあります。
法律違反となり、罰金(20万円以下)が科される可能性がある: 狂犬病予防法で犬の登録は義務付けられており、違反すると罰則の対象となります。
狂犬病予防注射の案内が届かない・接種管理が難しくなる: 年に1回の狂犬病予防注射も法律上の義務ですが、登録していないと自治体からの案内(集合注射のお知らせなど)が届かず、接種忘れにつながる可能性があります。
愛犬が迷子になった時に見つかりにくい: 鑑札やマイクロチップ登録情報がないと、保護されても飼い主を特定することが非常に困難になり、愛犬が手元に戻ってくる可能性が大幅に低くなります。
万が一、他人や他の動物に危害を加えた場合に問題が大きくなる: 事故発生時には飼い主の管理責任が問われますが、その際に未登録であることが発覚すると、より厳しい目が向けられ、トラブル解決が難しくなる可能性があります。
動物病院での手続きに支障が出る場合がある: マイクロチップの確認などで未登録が判明し、指導を受けたり、スムーズな診察の妨げになったりする可能性が考えられます。
これらのデメリットは、飼い主さん自身だけでなく、愛犬にとっても大きなリスクとなります。登録は愛犬を守るためにも必要な手続きです。
結論:必ず登録を!
犬の登録は、基本的にその犬にとって生涯に一度の手続きであり、手数料も数千円程度(例:横浜市では1頭につき3,000円)です。2022年6月からは、ブリーダーやペットショップ等で販売される犬猫へのマイクロチップ装着・情報登録が義務化され、このマイクロチップ情報が鑑札とみなされる制度も始まっています(※)。
バレるかバレないか、という視点で考えるのではなく、法律で定められた飼い主の責任として、そして何より大切な愛犬を守るために、必ず登録手続きを行いましょう。登録は、あなたと愛犬、そして社会全体を守るための重要なステップなのです。
(※マイクロチップが装着・登録されていても、別途、環境省指定登録機関への所有者情報登録や、自治体への情報通知が必要な場合があります。詳しくは、お住まいの自治体にご確認ください。)
犬がなくなったときは死亡届出も必要
犬が死亡した際には、死亡届を提出する必要があります。届出は区福祉保健センター生活衛生課で受け付けていますが、必要な持ち物については窓口にお問い合わせください。犬の死亡届を提出する理由は、狂犬病予防法第4条により犬の登録と予防注射が市町村で義務付けられているためです。もし登録が行われていない場合、20万円以下の罰金が科せられることがあります。
自治体によっては、電子申請・届出システムを利用して犬の死亡届出が可能となりました。オンライン手続きを利用するには、まず利用者登録が必要です。登録後、システムを通じて飼い犬の死亡届出を行います。
届出には鑑札番号や横浜市に登録されている犬の所有者情報が必要です。これらの情報が記載された書類を用意しておきましょう。
犬が死亡した場合、30日以内に市区町村または保健所に死亡届を提出する必要があります。届出には、飼い主の住所、氏名、犬の死亡年月日、登録番号の情報が必要です。また、犬鑑札や狂犬病予防注射済票、死亡届を提出する必要があります。
一部の自治体では動物病院でも犬の登録や注射済票が発行できる
横浜市など一部の自治体では、動物病院でも犬の登録や狂犬病予防注射済票の交付手続きを行うことができます。多くの動物病院では、これらの手続きを代行するサービスも提供しています。
犬の登録には3,000円の手数料が必要で、登録すると銀色の金属プレートである犬鑑札が交付されます。犬鑑札には登録番号が記載されており、犬の首輪などに常に装着しておく必要があります。もし鑑札が破損・紛失した場合には再交付が必要で、再交付手数料は約1,600円です。
また、犬の登録と同時に狂犬病予防注射を受けることができ、予防注射済票の交付手数料は550円です。犬の登録と狂犬病予防注射は、狂犬病予防法により生後91日以上の犬を飼う飼い主には義務付けられています。
マイクロチップの装着も動物病院で行われ、獣医師または獣医師の指示のもと愛玩動物看護師が専用の注入器を使用して皮下に埋め込みます。一度装着されたマイクロチップは、首輪や名札のように外れる心配が少なく、半永久的に読み取りが可能な個体識別措置となります。埋め込み時の痛みは通常の注射と同程度とされています。
令和4年6月1日より、「犬と猫のマイクロチップ情報登録」制度
令和4年6月1日から、ブリーダーやペットショップなどで販売される犬や猫について、マイクロチップの装着が義務化されました。そのため、ブリーダーやペットショップから購入した犬や猫にはすでにマイクロチップが装着されています。新しい飼い主になる際には、自身の情報に変更する必要があります(変更登録)。また、他者から犬や猫を譲り受けて、自身が獣医師に依頼してマイクロチップを装着した場合も、自身の情報を登録する必要があります。
この義務化されたマイクロチップ情報登録は、民間登録団体が個別に実施しているマイクロチップ情報登録事業とは異なるので注意が必要です。
犬の登録まとめQ&A
生後91日以上でまだ登録手続きが済んでいない犬の飼い主は、お住まいの市区町村窓口に問い合わせ、登録手続きを行う必要があります。
生後91日以上の犬を飼い始めた場合、30日以内に犬の所在地の自治体へ登録を申請する必要があります。これは、狂犬病予防法第27条により定められており、犬の登録申請を怠ると20万円以下の罰金が科せられることがあります。
生後91日以上の犬を飼い始めた日から、30日以内に登録する必要があります。
お住まいの市区町村役場(保健所や市民課など)で手続きが可能です。動物病院での登録やオンライン対応している自治体もありますので、事前に確認すると便利です。