オカピの生態とは?どこで見れる?
オカピはアフリカ・コンゴの熱帯雨林に生息する哺乳類で、キリンの唯一の近縁種です。体は暗褐色で、脚にはシマウマのような白と黒の縞模様があります。長い舌を使い、葉や枝を器用に食べる特徴があります。体長約2.5メートル、体高約1.5メートル、体重は200~250キログラムほど。森林に溶け込む体色と静かな行動から、発見まで長く謎に包まれていました。密猟や森林伐採で生息数が減少し、国際自然保護連合(IUCN)によって絶滅危惧種に指定されています。また世界三大珍獣のひとつに数えられる非常に珍しい生き物です。
オカピの生態
キリン科オカピ属。体は暗褐色で、脚に特徴的な白と黒の縞模様があり、森林の中で保護色となります。主に早朝や夕方に活動し、長い舌を使って木の葉や果実、草などを食べる草食性です。
単独行動を基本とし、警戒心が強い性格です。発達した聴覚を持ち、外敵の気配を察知して素早く身を隠します。その強い警戒心から野生環境下でのオカピの生態についてほとんどわかっていません。
森林伐採や密猟が原因で生息数が減少しており、国際自然保護連合(IUCN)によって絶滅危惧種に指定されています。
キリンの仲間なの?
足にシマウマに似た縞模様を持っていますが、れっきとしたキリンの仲間です。
オカピとキリンはどちらもキリン科に属し、共通点がいくつかあります。以下に主な共通点を挙げます。
- 長い舌
オカピとキリンはどちらも非常に長い舌を持ち、これを使って木の葉を引き寄せたり、掃除や手入れをします。 - 偶蹄目
両者ともキリン、ヤギ、シカなどと同じ偶蹄目に分類され、2つに割れた蹄を持っています。 - 頭の角(オシコーン)
両方とも頭に皮膚で覆われた骨の突起(オシコーン)があり、これがキリン科の特徴の一つです。オシコーンは、シカの枝角のように生え変わることはありません。
これらの共通点から、オカピは「キリンの近縁種」として知られています。ただし、オカピは森林に適応した体つきと色を持つ一方で、キリンは開けたサバンナでの生活に特化しており、異なる進化を遂げています。
オカピは絶滅危惧種
コンゴの森林や草原に生息しており、以前はウガンダにも生息していましたが、既に絶滅してしまいました。
主に生息地の破壊や密猟により絶滅が危惧されています。また、毛皮を狙った密猟も深刻な問題です。さらに、特定の環境に依存し、繁殖率が低いため、環境変化への適応が難しい点も脆弱性となっています。
これらの要因から、オカピはIUCNのレッドリストで絶滅危惧種(絶滅危惧IB類(EN))に指定されており、生息地保全や密猟防止、地域社会との連携が保護の鍵とされています。
生きた化石オカピ
オカピが「生きた化石」と呼ばれるのは、その進化的な特徴や古代の形態を現代まで保っているためです。オカピはキリン科に属し、約1,500万年前に共通の祖先からキリンと分岐しました。
現在のキリンの長い首とは異なり、オカピは短い首と原始的な体型を保っており、当時のキリン科動物の特徴を色濃く残しています。特に、シマウマに似た脚の模様やウマのような体型といった独特の姿は、進化の過程で大きく変化しなかった証拠とされています。
また、オカピは限られた地域、コンゴ民主共和国の熱帯雨林のみに生息しており、こうした環境が比較的安定していたため、形態や生態が長期間にわたり大きく変化せずに存続してきたと考えられています。このように、古代の特徴を今も伝える存在であることから、オカピは「生きた化石」と呼ばれるのです。
オカピはどこで見れる?
現在は、よこはま動物園ズーラシアと横浜市立金沢動物園でのみ見ることができます。(2025年1月4日現在)
ズーラシアでは、繁殖に成功しており、オス2頭、メス2頭の計4頭が飼育展示されています。
※上野動物園では、2023年7月8日オカピの「トト」が死亡しているため、現在では見ることができません。
オカピのまとめQ&A
足にシマウマに似た縞模様を持っていますが、偶蹄目キリン科オカピ属でキリンの仲間です。
現在は、よこはま動物園ズーラシアと横浜市立金沢動物園でのみ見ることができます。(2025年1月4日現在)