大切な猫のために知っておきたい猫の登録について

日本では、犬には狂犬病予防法に基づき登録が義務付けられていますが、猫は鑑札や届出の義務は定められていません(2025年5月1日現在)が、古河市のように一部の自治体で条例として登録を定められている場合もあります。ですが、猫は迷子になると保護されにくいので、名札を付けたり、マイクロチップなどで身元表示をする必要があります。

猫へのマイクロチップ装着は義務なの?

令和4年6月1日から、ブリーダーやペットショップ等で販売される犬や猫について、マイクロチップの装着が義務化されています。マイクロチップ装着の義務を負うのは、販売事業者であり、ブリーダーやペットショップ等で購入した犬や猫にはマイクロチップが装着されています。飼い主になる際には、ご自身の情報に変更する必要があります。さらに、他者から犬や猫を譲り受けて、その犬や猫にご自身が獣医師に依頼してマイクロチップを装着した場合には、ご自身の情報の登録が必要になります。
民間登録団体が個別に実施しているマイクロチップ情報登録事業とは異なりますので、ご注意ください。

犬と猫のマイクロチップ情報登録については、下記の記事でも詳しく紹介しています。

猫へのマイクロチップ装着の「努力義務」

2022年6月1日に改正された動物愛護管理法により、犬や猫のブリーダーやペットショップなどの販売業者に対してマイクロチップの装着と情報登録が義務付けられました。この改正において、一般の飼い主が既に飼っている猫に対しては、マイクロチップの装着は「努力義務」と位置づけられています。

「努力義務」とは、法律で義務付けられているわけではありませんが、「できる限り行うように努めなければならない」とされるものです。強制力はないものの、その重要性を理解し、可能な範囲で対応することが望ましいとされています。

なぜ猫へのマイクロチップ装着が「努力義務」とされたのか

犬については狂犬病予防法に基づき登録が義務付けられており、マイクロチップ装着もその流れで比較的スムーズに受け入れられています。一方、猫は犬のような登録制度が全国的に確立されていない背景などから、現時点では義務化ではなく、飼い主の自主的な判断に委ねる形となりました。

しかし、猫へのマイクロチップ装着が推奨される理由は、犬と同様に数多く存在します。

猫にマイクロチップを装着するメリット

  • 確実な身元証明: 猫は好奇心旺盛で、予期せぬ脱走や迷子になる可能性があります。首輪は外れてしまうことがありますが、マイクロチップは皮下組織に埋め込まれているため、確実な身元証明となり、発見時に飼い主のもとに戻る可能性を飛躍的に高めます。
  • 災害時の再会: 地震や水害などの災害発生時、猫は驚いて逃げ出してしまうことがあります。マイクロチップの情報があれば、避難所などで保護された際に飼い主を特定しやすくなり、再会までの時間を大幅に短縮できます。
  • 遺棄の抑止: マイクロチップが装着されていることで、飼い主の責任感が高まり、無責任な遺棄を抑止する効果が期待できます。
  • 盗難防止: 万が一、猫が盗難に遭ってしまった場合でも、マイクロチップの情報が登録されていれば、発見の手がかりとなる可能性があります。

「努力義務」だからこそ、飼い主の意識が重要に

猫へのマイクロチップ装着は義務ではありませんが、そのメリットを考慮すると、大切な愛猫を守るための有効な手段の一つと言えます。「努力義務」という位置づけだからこそ、飼い主一人ひとりがその重要性を理解し、積極的に検討することが求められます。

クラッチ編集部

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